タイ運河の提案

現在タイは水害でイサン地方にある日本の合弁会社は1階が水没、バンコックからも邦人の引き上げが始まった。この水が完全に引き、タイ経済は暫くの間、沈滞したままであろう。復興計画はまだ発表されてはいないが、国際舞台でイニシアティブを取りたい日本にはどんな援助を求めてくるのだろう。
さて、ここでタイの経済を復興に導く妙案がある。以下は新潮社「サダムフセインは偉かった」高山正之著,P130 からの孫引きである。

タイのハチャイが脚光を浴びた理由はマレー半島の中で一番縊れていて僅か40キロ程度の幅しかないからだ。ここはクラ地峡と呼ばれ高い山もなく、ここに運河を作ればインド洋から南シナ海に抜けられ航路はシンガポール沖を抜けるより1500キロ、ロンボック迂回航路より2400キロも短縮される。「クラ運河」への期待は高まり70年代には日商岩井の発議で具体的な計画が立てられた。
タイ政府も実現に向けて政府首脳会議を開いたが、この会議は決まって毎回空中分解する。運河が出来ればシンガポールの地域的価値はなくなってしまう。 一方タイ側にも華僑が居ついて政事・経済の実権を握っている。華僑同士話は早い。シンガポールから密使がバンコックに飛び主だった華僑政治家に金が行き渡ると会議は自然消滅する。
今 日本がこのプロジェクトを、公式にタイ政府に提案したらいかがであろう。重要なことは、正面から堂々と、たとえば国連などで提案することだ。そうしないと 今までの様に何時の間にか自然消滅してしまうだろう。
工事は日本のゼネコンが請け負い、タイ人労働者を使えば 産業の少ないハチャイの地方経済の底上げになるし、労働者も暫くの間仕事に有りつくことが出来る。
1970年代に日商岩井の発議で具体的な計画も立てられた。当時の金で70億ドル程度で幅員200m、水深33mの運河が掘れ、30万トン級の巨大タンカーも通行可能である。
これが出来ると、海賊が出没するマラッカ海峡を通る必要もなくなり、運河の通行料でタイ政府は恒久的に全く違った歳入を期待出来る。化石燃料も節約でき、公開日数も短縮出来る。神戸港も賑わいを見せるだろうし、日本からの輸出も増えるかもしれない。神戸港は便利になり韓国の港に対しても優位になるかも知れない。だが、潰されない様に、日本・タイ両国民に分かる形で提案しなければいけない。報道ステーションやゼロなどのTVとタイのTVで提案していることを報道してもらい、同時にG/Gベースの交渉を国連などの場で行う。